ノロウイルスの進化 of デンタルクリニックたかはし

アウトライン-[更新済み].gif医療法人デンタルクリニックたかはし



 ある日突然の嘔吐(はきけ)・下痢がノロウイルスの特徴であり症状でありますが、世界で何億人も感染し、その感染力はインフルエンザの1000倍と言われています。
 これまで5歳以下の子供が世界で20万人も死亡している感染症ですが、未だ薬や予防接種(ワクチン)を作ることができません。
 ノロウイルスは、1968年にはじめて発見され、2002年にノロウイルスという呼び名がつきました。
 その年にアメリカでは、ノロウイルスそのものを飲んだ人体実験が行われ、その結果、ウイルス感染が血液型で相性があることが分りました。(O型60%・A型44%・B型33%・AB型0%) ノロウイルスの感染経路は、まず口から入り食道を通り、胃酸に耐えながら胃を通過し、小腸へと進んでいきます。小腸は厚い粘膜の壁がその周囲を覆っていて、外部のものがそう簡単に侵入できないようになっていますが、ノロウイルスは厚い粘膜の壁を突破して侵入し、ものすごい勢いで増殖して8時間ほどで数万倍に増えていきます。しかも小腸の壁をどんどん破壊していくため、小腸は食べ物を消化したり、吸収したりすることができなくなります。そのため、激しい嘔吐や下痢が症状として現れます。そして、破壊しつくした後、ウイルスの増殖は止まり、その後は排泄されていくだけなので、そこから体は復調していきます。
 ここで、2002年に行われた人体実験でAB型だけがなぜノロウイルスに感染しなかったのでしょうか?その理由は、ノロウイルスが小腸の表面の中に入っていくためには秘密のカギが必要であり、そのカギ穴の型は血液型で決まっていて、ノロウイルスはA型・B型・O型のカギは持っていてもAB型のカギは持っていなかったからなのです。
 しかし、2003年に日本で行われたノロウイルスの実験では、A型71%・B型65%・O型64%・AB型55%で、血液型に関係なく感染していることが分りました。
 なぜ2002年の人体実験では血液型で違いが現れていたのに、わずか1年(2003)で血液型の関係がなくなってしまったのでしょうか。実は、2002年の人体実験は1990年代に大流行したノロウイルスを使った実験であり、大流行後以降、ノロウイルスが進化し、2003年以降はAB型も感染するようになっていたのです。つまり、ノロウイルスは過去のデータ
が役に立たないぐらい日々人間と闘いながら進化・変化を遂げ、血液型に関係なく、より多くの人に感染しやすい新型ノロウイルスになっているのです。
 さらに、日本では、2014年3月、神奈川県川崎市でこれまでの免疫が全く役に立たず感染してしまう新型ノロウイルス(GⅡ・P17 カワサキ変異体)が発見されました。新型ノロウイルスには、これまでのノロウイルスと同じ症状ですが、多くの人たちが免疫を持っていないため、今まで感染したことがないと思っている方でもいつか感染する可能性があるという恐怖があります。
 この進化していくノロウイルスの特徴は、他のウイルスとは違い生きた人間の腸以外で増殖することができないため、今のところ実験や研究ができず薬や予防接種(ワクチン)を作ることができません。


◎ノロウイルスに感染しないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?
◎ノロウイルスはそもそもどこから発生したのでしょうか?
◎家庭でノロウイルスを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
◎生活での予防はあるのでしょうか・・・など

 次回更新時(2016年3月上旬予定)に説明していきたいと思います。

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